吹き抜けが寒いのはなぜ?後悔を防ぐ家づくりのポイントを解説
おしゃれなマイホームで見かけることが多い吹き抜けは魅力的な間取りですが、「冬は寒いので後悔する」という意見を聞くこともあります。
特に過ごす時間が長いリビングに吹き抜けを設置する場合、寒くて光熱費が余計にかかるのは困りますよね。
しかし、吹き抜けが寒くなるのには理由があり、新築時にしっかり対策すれば後悔を防ぐことが可能です。
この記事では、吹き抜けが寒くなる理由と対策をセットで分かりやすく解説します。
吹き抜けの開放感やデザイン性と快適性を両立したい方は、ぜひ参考にしてください。
Contents
吹き抜けが寒いと言われるのはなぜ?
吹き抜けの間取りが冬寒いと言われるのは、いくつかの理由があります。
空気の体積が増える
同じ畳数のお部屋でも、吹き抜けで空気の体積が増えると、冷暖房効率が低下して寒くなる原因になります。
空気の体積が増えると、エアコンやストーブのスイッチを入れてから適温になるまでの時間が長くなるため、寒さを感じやすくなる可能性があります。
窓の面積が増える
吹き抜けは高窓を付けて採光性を高められるのがメリットですが、お部屋の窓の面積が増えることで寒さの原因になるケースもあります。
窓ガラスやアルミサッシは外壁や屋根より熱伝導率が高いため、外の空気で冷やされて、室温に影響を及ぼしやすくなります。
吹き抜けの高窓周辺の空気が冷やされると、冷たい空気が床面に降りてくる「コールドドラフト現象」が発生することもあり、
暖房を付けていても吹き抜けから冷たい空気がどんどん入ってきてしまうため、寒さを感じる原因にもなります。
暖かい空気が上に溜まる
暖房器具で暖められた空気が吹き抜けの上の部分に溜まってしまい、床面付近で寒さを感じるケースもあります。
暖かい空気は上昇し、冷たい空気は下降する性質があるため、暖房を付けてもなかなか適暖にならず寒く感じてしまうというわけです。
吹き抜けの寒さ対策7選
建物全体の断熱性・気密性を高める
吹き抜けの寒さ対策としては、まず屋根・外壁・床など建物全体の断熱性や気密性を高めることが大切です。
高断熱・高気密の住まいは外気の影響を受けにくいため、大きな吹き抜けをつくっても外の寒さを感じにくくなります。
断熱性や気密性を高めることで室温が下がりにくくなるため、暖房を付けてから適温になるまでの時間短縮も期待できます。
後述するほかの対策と組み合わせることで相乗効果も生まれますので、なるべく断熱性や気密性にこだわってみてください。
断熱性が高い窓ガラス・サッシを選ぶ
吹き抜けに高窓を付ける場合は、なるべく断熱性が高い窓ガラスやサッシを選んでコールドドラフト現象による寒さを防ぎましょう。
最近の住宅ではペアガラスが一般的ですが、さらに断熱性能が高いトリプルガラスを選ぶと、寒さ対策になります。
また、アルミより熱が伝わりにくい樹脂製のサッシを選ぶのも、寒さ対策に効果的です。
高窓や大きな窓を付ける場合は、特に断熱性能にこだわって建材を選んでみてください。
高窓にロールスクリーンを設置する
前述した断熱性が高い窓ガラスやサッシにくわえて、吹き抜けの高窓にロールスクリーンを設置するのも寒さ対策になります。
冬の夜など気温が下がる時間帯はロールスクリーンを下げることで、コールドドラフト現象による寒さの軽減につながります。
ロールスクリーンは手動だけでなく電動のタイプもあるため、高窓でも開け閉めの手間を減らすことが可能です。
断熱性が高い生地を使ったロールスクリーンもありますので、デザインとの兼ね合いも考えながら選んでみましょう。
シーリングファンを設置する
暖かい空気が吹き抜けに溜まって寒くなるのを防ぐには、シーリングファンを設置するのが効果的な対策です。
シーリングファンとは天井に設置する器具のことで、サーキュレーターのようにお部屋の空気を攪拌して均一な室温をキープしてくれます。
シーリングファンで吹き抜けに溜まった暖かい空気を循環させることで、床面だけ寒い状況を解消できます。
市販のサーキュレーターでも同じような対策は可能ですが、シーリングファンなら設置場所を取らず、おしゃれなアクセントになるのもメリットです。
吹き抜け部分の面積を調整する
お部屋全体の大きな吹き抜けではなく、面積を調整して部分吹き抜けにするのも寒さ対策の1つです。
例えばLDKの場合、キッチンやダイニング部分は通常の天井高で、リビングだけ吹き抜けにすることも可能です。
コンパクトな吹き抜けなら寒さへの影響が少なくなり、対策もしやすくなります。
また、天井の高さを切り替えることで、それぞれの空間をゾーニングできるのもメリットです。
部分吹き抜けでも開放感や採光性を高めることはできますので、快適性とのバランスを取りながら大きさを調整してみましょう。
床暖房で足元から暖める
エアコンやストーブと併用して、床暖房で足元からお部屋全体を暖めるのも、効果的な吹き抜けの寒さ対策です。
エアコンやストーブは温風を出すため、暖められた空気が吹き抜けの高い場所に溜まって足元が寒くなることが多いです。
床暖房はフローリングを直接加熱して、輻射熱で足元からお部屋全体を暖めるため、吹き抜けの間取りでも底冷えを感じにくくなります。
床暖房単体だとお部屋全体が温まるまで時間がかかりますが、エアコンやストーブと併用することでそれぞれの弱点を補うことができます。
効率の良い場所に暖房器具を設置する
吹き抜けを設置するお部屋のレイアウトや広さに合わせて、暖房器具の設置場所を検討するのも重要な寒さ対策です。
例えば、エアコンの温風がお部屋全体に行きわたる場所に設置することで、冷暖房効率が低下するのを防ぎやすくなります。
適切な設置場所は状況によって変わりますので、空調計画まで踏まえて吹き抜けの配置を考えてみましょう。
吹き抜けにはメリットもたくさんある
吹き抜けには次のようにさまざまなメリットもあり、寒さ対策をすれば、快適でおしゃれな空間をつくることができます。
※吹き抜けのメリット
- 開放感がアップし居心地の良い空間になる
- 自然光を取り入れやすい
- 梁見せ・勾配天井などデザインバリエーションが増える
- 上下階がつながりコミュニケーションを取りやすい
吹き抜けで天井の位置が高くなると視界が広がり、実際の床面積以上に開放的な空間に見せることができます。
高窓から自然光を取り入れて明るい空間になるため、おしゃれで居心地の良いリビングをつくりたいときにもおすすめです。
また、本来天井裏に隠れる梁をあえて見せたり、屋根の形状を活かした勾配天井にしたり、デザインバリエーションも広がります。
上下階を吹き抜けでつないで、自然と家族の存在を感じられる間取りは、子育て世代の方にもおすすめ。
例えばこちらのお住まいは、階段の吹き抜けを活かしてリビングの開放感を高め、上下階をつなぐ役割も持たせています。
2階ホールのデスクスペースが吹き抜けで1階とつながっているため、プライベート感がありながら、上下階でコミュニケーションも取れるようになっています。
ここでご紹介した以外にも吹き抜けの間取りがございますので、ぜひ理想の家づくりにお役立てください。
まとめ
吹き抜けは寒いと言われることが多いですが、断熱性能のアップやシーリングファンの設置などで対策可能です。
しっかり寒さ対策をして、おしゃれで快適な吹き抜け空間をつくりましょう。
湘栄建設では、吹き抜けの寒さにしっかり対策しつつ、お客様に合わせた間取りづくりをサポートしております。
規格住宅・注文住宅など複数のプランをご用意していますので、ぜひお気軽にご相談ください。
施工エリア:二宮町・大磯町・平塚市・茅ケ崎市・藤沢市・寒川町