インダストリアルな家の特徴とおしゃれな外観・内装デザインのポイント|注文住宅実例も紹介
人気の高いインダストリアルな家に魅かれるけれど、素材やその組み合わせ方と家具の選び方を具体的に知りたいという場合には、インダストリアルな家の施工事例が役立ちます。
同時に思い描いているインダストリアルな家を実現させる為、インダストリアルテイストの基礎知識と建て方のポイントを見ていきましょう。
Contents
インダストリアルテイストとは?
インダストリアルテイスト(industrial taste)とは工業的、産業的な味わいや雰囲気を表す言葉ですが、それに加えてヴィンテージ感を伴うデザインが人気です。
そしてインダストリアルな家とは、本来、耐久性の高さを求められる工業や産業の現場で実用的に使われてきた無機質な味わいの素材を使う個性的な家です。
機械が使われ始めた1920年代のアメリカの工場は、今ではレトロに感じられる無骨さと懐かしさが入り混じった独特の雰囲気を持っていました。
世間では機能性と実用性が求められる風潮でしたが、同時に工場で大量生産された多くの物が溢れた時代でもありました。
そのような時代と産業の変化と共に使われなくなった工場や倉庫が、住宅不足から住宅として使われるようになり、インダストリアルな家が誕生しました。
現在ではそのおしゃれさに注目が集まっています。
当時の雰囲気を醸し出す為に、壁や床にはコンクリートやレンガ、無垢材が使われ、鉄骨階段や鉄柱などアイアン素材が組み合わされています。
これらの素材が時を経て変化した風合いを楽しむ内装が、インダストリアルテイストとも言えます。
内装に使われる素材には古い工場の雰囲気を醸し出すヴィンテージ感を演出する為、ブラック系をアクセントに渋い色調が使われます。
また、レンガやレザーに経年変化を感じさせるダメージ加工が施されることもあります。
一方、1990年代には多くのアーティストが家賃の高額なマンハッタンからブルックリンに移り、倉庫を改装して住居にしたことがブルックリンスタイルの始まりです。
インダストリアルテイストが素材の質感を活かすシンプルなデザインであることに対して、もとの質感は活かしつつ、装飾を加えていったスタイルがブルックリンスタイルです。
現在では、素を活かすインダストリアルテイストの家だけではなく、ブルックリンスタイルのような装飾が採り入れられている家も含めてインダストリアルな家と分類されています。
ただ、天井が高く広々とした空間であることと、素材のヴィンテージな質感を活かすという部分は共通です。
インダストリアルな家の特徴&魅力
素材の選択肢が多いインダストリアルな家には、おしゃれで居心地の良いインテリアを生み出しやすいという魅力があります。
コーディネートの幅が広い
内装を決めていく際、インダストリアルな家では異素材を組み合わせることができるので、選択肢が多いという特徴があります。
工場や倉庫では一般の住宅のようにクロスを貼ったりせず、コンクリートやレンガがむき出しになっていて、配管なども見えています。
壁の一部にレンガやタイルを貼ったり、無垢材のフローリングを採り入れたりして内装を調えていきます。
その際、素材のヴィンテージな質感を活かすという基本的なポイントを押さえられていれば組み合わせられる素材が多くコーディネートの幅が広がります。
無機質な色味にブラウン系を加え、装飾のあるインテリアにすると、ブルックリンスタイルのインダストリアルな家が生まれます。
また、明るく自然な色合いにし、植物やファブリック系の家具を配置して北欧テイストを採り入れるという選択肢もあります。
シンプルかつオリジナリティがある
間仕切りのないシンプルな大空間と素材の質感がインダストリアルな家のベースです。
その為、家具や雑貨が引き立ちやすく、組み合わせ次第でオリジナリティ溢れるインテリアを楽しめます。
無機質だが温かみも感じるバランス感
アイアンやコンクリートなど無機質な素材がベースですが、無垢材やグリーンとの組み合わせが温かみもある程よいバランス感を創り出します。
インダストリアルな内装デザインのポイント
内装のポイントは素材同士の色調、質感に統一感を持たせつつ、整然とした雰囲気になり過ぎないようにすることがポイントです。
矛盾しているように感じられるかもしれませんので、一つ一つのポイントを確認していきましょう。
素材にこだわる
コンクリートやレンガ、アイアンなどインダストリアルテイストの定番素材の選び方と組み合わせ方で、よりクオリティの高い内装にできます。
統一感を意識する
他のテイストと組み合わせる場合、組み合わせるテイストの選び方に注意が必要です。
ブルックリンスタイルとの相性は良いのですが、西海岸風のテイストを採り入れたり、ヨーロッパ風の照明を配置したりするとチグハグな印象になってしまいます。
また、異素材を組み合わせやすいという特徴はありますが、家全体の調和を考えて色味や質感に統一感を持たせることが大切です。
リビングを開放的に
開放的なリビングには工場や倉庫のように天井が高く間仕切りの少ない大空間が必要です。
開放的な空間には吹き抜けが定番ですが、その中でもインダストリアルな家には、面積の広い吹き抜けが似合います。
また、間仕切り壁で空間を区切らず、家具の配置でゾーニングすると、いかにも工場や倉庫を住居にした雰囲気が出ます。
加えて、視界を遮らないスケルトンタイプの鉄骨階段を採用すると、より開放的でおしゃれなリビングになります。
照明にこだわる
インダストリアルな家には、装飾のないシンプルで実用的な照明器具が使われます。
塗装などの加工がされていない鉄やスチール、ガラスなどで作られた黒やグレーの照明器具で、電球が見えるデザインです。
空間が広いのでペンダントライトのコードの長さの調整で光の高さを変えたり、スペースによってデザインや光色が異なる照明を取り付けたりすると、シーンに合わせて明かりの陰影を楽しめます。
家具やインテリアもトータルコーディネート
インダストリアルなインテリアの基本は、加工されていないコンクリート、鉄、木、レザーです。
色にしてみるとグレー、黒、ブラウン、無垢材の色です。
部屋全体の色調をこの4色を基本に揃えていきましょう。
一方、家具はあまりに統一されているとインダストリアルな雰囲気が損なわれてしまいます。
異なるテイストを組み合わせないことと、色を増やし過ぎないという意味では統一感が必要ですが、整然としたイメージになり過ぎないようにすることも大切です。
ダイニングテーブルにひとつだけ異なる椅子を組み合わせるなどの工夫をしてみましょう。
加えて、インダストリアルな部屋には背が低くどっしりした家具が似合います。
ブルックリンスタイルを採り入れる場合には、ラグやソファに置くクッションなどにアクセントとなるような色を付け加えます。
インダストリアルテイストでは、ファブリックよりレザーが好まれますが、ラグやクッションにはファブリックが使われることもあります。
アクセントになる色は明るい色を使いますが、新品ピカピカの明るい色ではなく、使い込まれた感じのするくすんだ赤など、ヴィンテージ感を醸し出す色を選びましょう。
また、壁面に鮮やかな色のアート作品を飾ることもあります。
窓のサッシは黒が主流で、カーテンはつけないことが多いです。
プライバシーが気になるという場合には、ブラインドの方がインダストリアル感を損ないません。
施工エリア:二宮町・大磯町・平塚市・茅ケ崎市・藤沢市・寒川町
インダストリアルな外観デザインのポイント
インダストリアルは工場や倉庫の内部の雰囲気を醸し出すスタイルなので、戸建て住宅の場合には、倉庫や工場のような外観が似合います。
シンプルなシルエットにする
箱型+フラットな屋根にすると直線的なシルエットが生まれ、倉庫や工場のような印象のカッコいい外観にできます。
シックなカラーでまとめる
ブラックやブラックに近いチャコールグレー、赤錆色など深い色合いの外壁と屋根+黒いサッシの窓でまとめることが多いです。
玄関ドアには木が使われることもあります。
外壁の素材にこだわる
一般的な木造住宅の外壁は窯業系サイディングで仕上げられることが多いです。
一方、インダストリアルにはガルバリウム鋼板やモルタルが似合います。
ガルバリウム鋼板で仕上げるとスタイリッシュなイメージになり、モルタル仕上げならその無機質さがインダストリアルらしいおしゃれな外観にします。
窓をアクセントにする
シンプルな外観なのでアクセントとなる窓が引き立ちます。
黒い格子付きサッシの大きな窓がブルックリンスタイルの定番ですが、複数の窓を並べるという方法も工場っぽい外観にするひとつの方法です。
外構もトータルコーディネートする
住宅の外観は敷地のエクステリアとの調和でデザインが完成します。
インダストリアルな家にはコンクリートの床やPCフェンスなどコンクリートと鉄、アクセントに目地には植栽を使うなどシンプルで直線的な外構が似合います。
新築時にはそこまで手が回らないということも多いのですが、その場合には暮らし始めてからどのような外構にしていくのか計画だけは考えておきましょう。
施工エリア:二宮町・大磯町・平塚市・茅ケ崎市・藤沢市・寒川町
インダストリアルな注文住宅実例を紹介
大磯や平塚に建築されたインダストリアルな注文住宅実例をご紹介します。
コンクリートとヴィンテージ風な家具でスタイリッシュに統一された家
壁掛け時計とランプシェード、サッシ、梁、ブラインド、エアコンは黒、ソファやヘリンボーンのフローリングがブラウン系で統一されたスタイリッシュなリビングです。
PCフェンスのグレー、ウッドデッキの木色が調和して重厚感のある黒い箱型デザインの外観を引き立てています。
木製の踏み板がついた鉄骨階段とグレーの木製ドアが、無機質なコンクリーとの壁に温かみを持たせています。
ヴィンテージ風の赤いラグとレザーチェアが映える板張り天井のリビングのある家
深い色合いのタイルが使われているキッチンに隣接する落ち着いた雰囲気のリビングでは、ヴィンテージ風の赤いラグとレザーチェアが彩りを添えています。
インダストリアル・キッチンでは、ダイニングやリビングとの間に間仕切り壁や扉のない間取りがインダストリアル感を出すテクニックのポイントです。
さらにダイニングテーブルに置かれているデザインの異なる椅子や、ステンレスのオープンシェルフ、ビンテージ風のチェストがインダストリアル感をより醸し出しています。
加えてダイニングテーブルを照らす大き目で無機質なペンダントライトと、キッチンに長い鎖で吊り下げられた電球むき出しのペンダントライトが、インダストリアルな空間に光の陰影を創り出しています。
吹き抜けのストーンタイルが印象的な家
ストーンタイルが施された吹き抜けの壁と、ブルーグリーンのリビング階段が個性的なリビングです。
床材と壁面にヴィンテージ風のタイルが使われた陶器ボウルのある洗面室にも、インダストリアルテイストが感じられます。
まとめ
インダストリアルな家は、色調を統一し、いくつものテイストを混ぜないことに注意して計画を進めていけば、おしゃれな空間を創り上げられます。
間取りが細かく区切られている家をインダストリアルな家に変えていくことは難しいですが、新築時なら間取り設計の段階から計画できます。
また、プラン作成に自信がないという場合には、セミオーダーできるインダストリアルな家を新築するという選択肢もあります。
ゼロから始める注文住宅でインダストリアルな家を新築したい場合でも、セミオーダーできるインダストリアルな家を新築したい場合でも、お気軽にご相談ください。
施工エリア:二宮町・大磯町・平塚市・茅ケ崎市・藤沢市・寒川町