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コラム

住宅ローンは最長50年|長く借りて早く返すなら何年で返すのが得なのか、35〜50年ローン返済シミュレーション

#建売住宅

近年、資材の高騰や人材不足による住宅価格高騰を受け、返済期間50年の住宅ローンを取り扱う金融機関が増えています。

「早く完済したいから短期間で」と考える方も多いですが、実は「長く借りて早く返す」方法もあります。

返済期間を長く設定すれば、月々の負担を抑えながら、余裕ができた時に繰り上げ返済で総返済額を減らすことが可能です。

一方、返済期間を短く設定すると毎月の返済額が高くなり、家計を圧迫するリスクがあります。

この記事では、住宅ローンを長く借りて早く返すメリット・デメリットやシミュレーション、繰り上げ返済のタイミングなど詳しく解説するので、ぜひ最後までご覧ください。

住宅ローンの返済期間は最長50年

住宅ローンの返済期間は最長50年

近年では、フラット50など、最長50年の借り入れが可能な金融機関も増えています。

ただし、誰でも利用できるわけではなく、主に以下の条件を満たす必要があります。

  • ・長期優良住宅であること
  • ・申込時の年齢が44歳未満であること
  • ・住宅の床面積基準を満たしていること
  • ・総返済負担率が基準内であること
  • ・団体信用生命保険に加入すること など

〈参考〉:フラット50|住宅金融支援機構

近年、フラット35利用者の年齢層が変化しており、2020年以降、40代以上の利用者の割合が増加しています。

住宅金融支援機構の調査を見ても、36年〜50年の住宅ローンを利用する方は、過去3年間で10%以上増加しています。

〈参考〉:住宅ローン利用者の実態調査(2025年4月調査)5ページ|住宅金融支援機構

背景には、住宅価格の上昇により月々の返済額を抑えたいニーズの高まりや、変動金利の上昇リスクを避けて固定金利を選ぶ人が増えていることなどが挙げられます。

住宅ローンを「長く借りて早く返す」メリット

住宅ローンを「長く借りて早く返す」メリット

返済期間50年の住宅ローンは、毎月の返済額を抑えられるのが魅力ですが、期間が長いため不安に思う方もいるかもしれません。

まずは、住宅ローンを「長く借りて早く返す」3つのメリットを見ていきましょう。

後から短縮はできても延長は難しい

住宅ローンの返済期間は「短縮」は比較的簡単ですが、「延長」は原則として困難です。

一度短く設定した返済期間の延長する際は、金融機関の再審査が必要になります。

一方で、借入期間を長く設定しておき家計に余裕が出た際行う「繰り上げ返済」は、いつでも返済期間を短縮し総返済額を圧縮することができます。

長く借りることで、将来の状況変化にも対応しやすくなります。

団体信用生命保険(団信)の効果を長く受けられる

多くの住宅ローンでは、契約者が死亡または高度障害状態になった場合に、ローン残高がゼロになる「団体信用生命保険(団信)」への加入が必須です。

借入期間が長いほど、団信の保障を長く受けられます

万が一の際にも、ご家族に住まいと経済的な安心を残せる点がメリットです。

毎月の返済額を抑え、家計に余裕が生まれる

返済期間が短いほど毎月の返済額は高くなり、家計を圧迫します。

特に20代で収入があまり高くないうちは、住宅ローンの返済に追われて生活が苦しいという事にもなりかねません。

その間にお子さまの誕生や、進学、車の買い替えなど、ご家族の状況は日々変化します。

「とりあえず短く」設定した高い返済額が負担となり、将来のライフイベントに必要な資金を用意できなくなるおそれがあります。

一方で、返済期間を長く設定すれば毎月のローン返済額を低く抑えられ、病気や失業といった万が一に備える「生活防衛資金」として手元に残すことも可能です。

住宅ローンの返済が不安な方は、期間を延ばすことを検討してみてください。

住宅ローンを「長く借りて早く返す」デメリット

住宅ローンを「長く借りて早く返す」デメリット

一方で、注意すべきデメリットもありますので見て行きましょう。

繰り上げ返済しないなら総支払額は増える

返済期間を長くする場合は、その分、長期間にわたって利息を支払うことを意味します。

繰り上げ返済をせずに契約通りに完済した場合、返済期間が短いプランに比べて利息の総額は多くなります

計画的に繰り上げ返済を実行できない場合、結果的に損をする場合があるため、借入時から、繰り上げ返済の計画を立てておきましょう。

借金を長期間抱える精神的な負担

住宅ローンという大きな借金を、35年、40年、あるいはそれ以上抱え続けることに負担を感じる方も少なくありません。

「早く完済してスッキリしたい」という気持ちが強い方にとっては、長期間のローン契約が逆に負担になる場合があります。

金利上昇リスクに長期間さらされる(変動金利の場合)

変動金利では、借入期間が長いほど金利上昇のリスクにさらされる期間も長くなります。

将来の金利上昇で返済額が増加する可能性を考慮する必要があります。

当初の審査が厳しくなる可能性がある

借入期間を長く設定すると完済時年齢が高くなるため、金融機関によっては審査が厳しくなるケースがあります。

定年退職後も返済が続くようなプランの場合、安定した返済能力があるかどうかが慎重に判断されます。

【35〜50年ローンの返済シミュレーション】毎月の返済額と総返済額を比較

【35〜50年ローンの返済シミュレーション】毎月の返済額と総返済額を比較

長く借りるメリットを、具体的なシミュレーションで見てみましょう。

【シミュレーションの条件】

  • ・借入額:4,000万円
  • ・適用金利:年1.84%(全期間固定で計算)
  • ・返済方法:元利均等返済

 

項目 35年ローン 40年ローン 50年ローン
毎月の返済額 約13万円 約11.8万円 約10.2万円
35年ローン比で浮く月々の金額 基準 約-1,1万円 約-2,7万円
15年間で手元に残る現金総額 基準 約201万円 約486万円
総返済額 約5,425万円 約5,664万円 約6,129万円
利息支払額 約1,425万円 約1,664万円 約2,129万円

シミュレーション結果は概算です。実際の返済額は金融機関の条件により異なります

返済期間を35年から50年に延ばすと、毎月の返済額を約2.7万円抑えられます

15年間では約486万円もの現金が手元に残り、この資金があれば教育費や車の買い替え費用に回すことも可能です。

しかし、繰り上げ返済をせずに50年間で完済した場合、35年ローンに比べて利息が大きく増え、総返済額の差は704万円にもなります。

大切なのは、「目先の総返済額」と「将来にわたる家計の安定性(手元資金)」のどちらを重視するかです。

 

住宅ローンの借入額は、土地の価格に大きく左右されます。

後悔しない家づくりには、建物だけでなく慎重に土地を選ぶことも欠かせません。

「購入すべきでない土地」を避け、資産価値を下げないためのチェックポイントを以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

▶関連コラム:注文住宅の土地選びチェックポイント|買わない方がいい土地や失敗を防ぐコツも

繰り上げ返済すべきタイミングと注意点

繰り上げ返済すべきタイミングと注意点

「長く借りて早く返す」には、計画的な「繰り上げ返済」が不可欠と言えるでしょう。

ここでは、繰り上げ返済の種類とタイミング、実行前に確認しておきたい注意点を解説します。

繰り上げ返済は「期間短縮型」と「返済額軽減型」の2種類

繰り上げ返済には、目的別に2つのタイプがあります。

①総返済額を減らしたいなら「期間短縮型」

毎月の返済額は変えずに返済期間を短くする方法で、利息の削減効果が高く、総返済額を大きく減らせます。

【期間短縮型が向いている人】

  • ・とにかく総返済額を減らしたい
  • ・早く住宅ローンを完済して精神的にスッキリしたい
  • ・現在の毎月の返済額に十分な余裕がある

②月々の負担を軽くしたいなら「返済額軽減型」

返済期間は変えず、毎月の返済額を減らす方法で、すぐに月々の家計負担を軽くできる直接的なメリットがあります。

【返済額軽減型が向いている人】

  • ・目先の家計の負担をすぐにでも軽くしたい
  • ・これから子どもの教育費などで支出が増える予定がある
  • ・変動金利で、将来の金利上昇時に月々の返済額の上昇を抑えたい

繰り上げ返済のタイミング

効果を高めるには、実行するタイミングも大切です。

  • ・ライフイベントや収入の変化があった時:昇給やボーナスなどで収入が増えた時や、お子さまの独立などで大きな支出が終わった際は繰り上げ返済を検討しましょう。
  • ・住宅ローン控除期間が終了した直後:住宅ローン控除の期間中に繰り上げ返済をすると控除額も減るため、控除期間が終わってから返済するのが最もお得です。
  • ・金利の状況に合わせて:金利が高い場合や、変動金利で将来の金利上昇が不安な場合は、早めに繰り上げ返済をして利息を減らす方が効果的です。

実行前に必ず確認すべき3つのチェックリスト

繰り上げ返済は手元から現金が減るため、実行前には必ず以下を確認しましょう。

  • ・病気や失業に備える緊急用の生活資金は十分にあるか?
    生活費の半年~1年分程度の「生活防衛資金」は必ず確保しておきましょう。
  • ・教育費や老後資金など、将来のライフプラン資金は確保できているか?
    目先のローン返済を優先し、将来の重要な資金計画がおろそかにならないようにしましょう。
  • ・定年までに完済できる現実的なプランか?
    定年後も返済が続くプランは老後を圧迫します。現実的な完済年齢をシミュレーションすることが大切です。

 

住宅の購入において、「そもそも注文住宅と建売住宅はどちらが良いのだろう?」と迷われる方も多いのではないでしょうか。

住宅の種類によって必要な資金やローンの組み方も変わるため、まずは建売住宅と注文住宅のメリット・デメリットや価格差を比較検討してみてください。

▶関連コラム:建売住宅と注文住宅どっちがいい?メリット・デメリットの違いや価格差を解説

まとめ

今回は、近年増えてきた返済期間50年の住宅ローン「長く借りて早く返す」メリットやその際のリスクについて解説しました。

住宅ローンは、新しい住まいで豊かな人生を送るための手段です

返済に追われるのではなく、安心して暮らしていくために、ぜひ「長く借りて早く返す」という考え方を家づくり計画に取り入れてみてください。

 

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